社会開発研究センターとは

一般財団法人社会開発研究センターの歴史は、その前身である財団法人社会開発総合研究所(以下、社総研)が設立された1973年に遡ります。当時日本は戦後経済の高度成長を遂げ「世界の奇跡」とまで称えられたとはいえ、経済先進国としてさまざまな国際的役割を果たしていくための妨げになる“社会的後進”ないし“社会的不適応”の諸問題を国内的に多く抱えておりました。
政・官・財の各機関の求めに応じて諸問題の本質を明らかにするとともに問題解決への方法や示唆を、具体的に提示することを設立目的としたシンクタンクとして社総研は発足いたしました。

設立以来40有余年、この間の経済社会の変容に応じて社総研の活動内容は、当然のことながら時代の激しい変化を反映しております。設立直後は国土計画の見直しや石油危機の勃発による日本的生産活動や消費生活のあり方に焦点がおかれました。80年代には、“円高”の常態化に伴う狂乱のバブル景気により伝統的“日本型システム”の崩壊への対応がクローズアップされました。そして90年代から今日にかけては、長期的な経済的低迷・政治的激変・社会的退廃という苦い国民的経験を踏まえ、“新生日本の模索”が主要な関心事となった⋯といったことが回顧されます。

この間にあって社総研は、その時代的要請に沿った調査・研究・提案活動を活発に行いながら、2002年には設立目的をほぼ同じくするシンクタンク財団法人宮城総合研究所と合併をいたし「財団法人社会開発研究センター」という名称のもとに、変化する時代が生み出す行政的課題と臨機応変に取り組まざるをえない企業活動のために役立つ、調査研究ならびにコンサルティング機関として新発足いたしました。

2009年度からは、食の安心・安全が社会的な関心を集めるなか産業界からも関心の高まりを見せている「植物工場」に焦点を定め、この分野の専門家である高辻正基氏を理事に迎え、「植物工場 農商工専門委員会」を設置いたし「植物工場」の普及・啓蒙活動の推進に取り組むことにいたしました。

「植物工場」は、2008年の閣議決定を踏まえ、地域活性化を目指す有力な具体的戦略として経済産業省・農林水産省両省が設置した「農商工連携研究会」が「植物工場ワーキンググループ(座長:高辻正基)」を契機に俄然産業界各社の注目を集めております。

2016年度からは、超高齢化社会の到来により高齢者の社会的不安が増大する一方で、社会保障制度の運用に関する見直しなどが社会的関心を呼んでいる昨今の状況に鑑み、とくに、「高齢者の医療・福祉問題」に関する社会的な要請に対応したセミナーの企画などを通して、高齢者医療の実態における不安の減少と老後の生活設計に対する指針を提供することを目的とした活動を展開いたしております。

2017年度からは、政府が主導する「地方創生」の高まりの中で、地方や地域における新しい取り組みが徐々に進展しつつあります。当研究センター創設45年を境目に“新生日本の模索“を改めて探究・蓄積する時宜と捉え、「地域社会創生プロジェクト」を中心に事例研究や新しいプラットフォームづくりを積極的に推進していく考えであります。