当研究センターは設立以来40有余年シンクタンクとして数多くの実績を積み上げてまいりました。その時代時代における社会的要請に応え、より健全で持続的な経済社会の進展に寄与するとともに、最適な生活環境を実現するための学際かつ実際的な調査研究と提言活動を通じて設立目的の達成に尽力いたしております。
近年、消費者の食に対する安全・安心そして安定供給を期待する声が強い高まりを見せております。当研究センターでは、2009年より「植物工場・農商工専門委員会」を開設し調査研究を基に知の集積を図る一方、セミナーやシンポジウムなどの企画運営を通じて広く情報発信を行い、次世代農業としての「植物工場」の実用化に資する普及・啓蒙活動を実施いたしております。
また、2016年度よりは、「超高齢化社会」の到来に高齢者の社会的不安が増すなか、社会保障制度の運用見直しなどが社会的関心を集めている昨今の状況に鑑み、特に「高齢者の医療・看護・福祉問題の解決」に資するための新規プロジェクトの開発に取り組んでおります。
当研究センター創設45年を節目に、設立目的を再考し“新生日本の模索”を改めて探究・蓄積する時宜と捉え、日本再生に資する取り組みを継続かつ具体的に推進する方針であります。このため、2017年度からは、政府が主導する「地方創生」の高まりのなかで、地方や地域における新しい取り組みが徐々に進展しつつあり、この動きを促進するため「地域社会創生プロジェクト」を立ち上げ、具体的なフィールド調査やプラットフォームづくりを行い、新規事業の創出に向けた活動を展開いたしております。
2019年度からは、災害が頻発する日本において東日本大震災の教訓も踏まえ、福島の復興、防災立国日本の実現、危機管理能力の高い日本人の育成による世界でも稀な安全で安心な国土と社会開発に資する取り組みにも主体的に関わることが求められていると考えています。このため、関係する調査研究機関などとも連携した活動を行い、創設50年を見据え、当研究センターの社会的価値と経営基盤の向上に向けて積極的に取り組んでまいります。
以上のような諸調査研究および活動に直接的・間接的にご関心をお持ちの皆さまのご賛同を賜りますようお願い申し上げます。
理事長 松岡 斉