日本における「植物工場」のはじまり
日本における「植物工場」のはじまりは、1974年日立製作所・中央研究所の高辻正基研究員が当時、環境問題と世界的規模での人口増加により予測される食糧危機に対応するため、またわが国の農業活性化にも新しい農業技術の開発が必要との認識のもとに研究開発に取り組み、1985年「つくば科学万博」に日立製作所が「回転式レタス生産工場」として、その成果が展示され実用化に向けた具体的な取り組みが始まりました。 1987年に日刊工業新聞社主催による「植物工場システム展」が開催され、また1989年には「植物工場学会(現在・日本生物環境工学会)」が設立されました。 その後、2008年に地域活性化に向けた具体的戦略として、「新経済成長戦略」の閣議決定に伴い、農商工連携を推進・検討するため「農商工連携研究会」が設置されました。当該研究会の主要検討事項のひとつに植物工場の普及促進が明記され、個別政策のあり方の具体化を検討するために、「植物工場ワーキング・グループ(座長・高辻正基)」が発足いたしました。
高辻正基の1974年
植物工場、すなわち「工場空間で野菜を生産する」概念は、かなり古くから主に欧米に見られました。実際にこのような施設も散見されたそうです。
しかし、高辻正基(当財団理事、元東海大学教授)が1974年に、日立中央研究所における新規の分野として、本格的にデータを取るなどの研究を開始、これが植物工場研究のはじまりであるといえます。事実、植物工場という言葉も、高辻の着想です。
植物工場の様々
- 人工光完全制御型・・・ビル内でも展開できる植物工場の典型
- 太陽光利用型・・・いわば温室の進化系
- ハイブリッド型・・・これも見られます
植物工場は、現在では、研究開発の段階から〜実際建設期に入った。このようなイメージがあります。