一般財団法人社会開発研究センター 植物工場・農商工専門委員会

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テクノロジー Q&A

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Q 植物工場とはどういうものですか

植物工場とは野菜や苗を中心とした作物を施設内で光、温湿度、二酸化炭素濃度、培養液などの環境条件を人工的に制御し、季節に関係なく自動的に連続生産するシステムをいいます。植物工場には太陽光利用型と完全制御型がありますが、ほとんどの植物工場で制御しやすい水耕栽培を使っています。どのような作物に対しても完全無農薬で栽培できるのは完全制御型のみです。

Q 栽培のための光源にはどのようなものがありますか

完全制御型植物工場の人工光源としては、これまで高圧ナトリウムランプ,メタルハライドランプ,蛍光灯,LEDなどが使われてきました。数年前までは発光効率の高さから高圧ナトリウムランプが主流でしたが,最近では光に熱放射が少ない、したがって多段栽培ができる蛍光灯とLEDが注目されています。一方、太陽光利用型植物工場の補光にはもっぱら高圧ナトリウムランプが使われています。

Q 蛍光灯はどのような光源ですか

蛍光灯は一応可視光をカバーしており,安価で取扱い易いという特徴があります。しかし植物に必要な赤色(波長660nm)が少ないために、弱光下では生産物に甘みが欠け、品質的に劣るという弱点もあります。最近では細管の蛍光灯や電球型蛍光灯、そして電極に電圧を印加して放電させる冷陰極管(CCFL)や外部電極管(EEFL)も、寿命が長い点で注目されています。

Q LEDにはどういう特徴がありますか

LEDはいろいろの波長のものが開発されています。赤色(660nm)と青色(470nm近辺)のLEDは偶然ですが、発光波長がクロロフィルの吸収ピークにほぼ一致しています。そのため植物による光の吸収効率が高くなり,比較的弱い光でも健全に生育させることができます。また長寿命であり,光合成に有利なパルス照射が可能などの特徴があります。

Q 植物工場の技術課題にはどのようなものがありますか

様々な面でのコストダウンが基本的な課題ですが、とくに償却費低減のために全体を安価につくることが大切です。完全制御型植物工場の場合には何よりも、照明設備コストの低減と照明効率の向上が求められます。現状では安価な蛍光灯の利用と最適な反射板の設計、蛍光灯に欠けている赤色の強化、LEDの場合はパルス照射の適用などがポイントになるでしょう。今後に求められる重要技術として、おいしく栄養価の高い野菜の栽培技術があります。機能性を高めることによって差別化するためです。また植物工場の普及のためには植物工場のモジュール化、標準化の研究も大切になります。

Q 植物工場野菜にはどんな長所がありますか

植物工場野菜には・・・
1:完全無農薬
2:洗わずに食べられる
3:長持ちする
4:ロスが少ない(歩留り良い)
5:シャキシャキ感があり、やわらかくて美味しい
6:栄養価が高い
などの利点があります。
植物工場野菜の栄養価を実証するいろいろなデータもあり、一般的にいえば露地物やハウスものより優れています。つまり、”究極の安全・安心野菜”ということができます。

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